■残酷な神が支配する■



「友達って…こいつかい?リューク」
「ああ。こいつも退屈そうでな。人間界を見てみたいって言うから呼んでみた」
「……そう……」

僕はなるべく平静を保っているつもりではいたが、わずかな拳の震えは止められなかった。 リュークの友人−−−無論死神だ。その異様な姿形に僕は瞬きを忘れて見入っていた。

<リューク。この人間 旨そうだな>

死神が僕に−−−手?といっていいのだろうか。彼にとっては手であろう物を僕にのばした。 思わずあとずさると、リュークが歯をむいて笑った。

「こわいか月?」
「いや……興味深いよ。死神にも色んなタイプがいるんだね…とりあえず、こいつが僕を食べようと するのは止めてくれよリューク」
「安心しろ、食うといってもこいつはリンゴみたいに食っちまうわけじゃない」

「手」に頬を撫でられて体を強張らせる僕を見て、楽しそうにリュークが言った。

「たまにいるのさ…死神が忘れちまった性欲ってもんに頭がいっぱいになってる奴が。食うっていうのは そういう意味だ。おい、月はお前のタイプなのか?」
「おい、リュークよせよ!」

思わず本気で怒鳴ってしまった。冗談じゃない。

<でもなあ…3日間の人間界ツアーの間まるで食わないでいるのは俺には不可能だな。リューク、 どっかに食ってもいい人間いないか?>

”友人”は「手」をゆらゆら揺らしながら言った。どこから声をしているのかはわからない。 こいつの体はすべてが「手」で出来ていた。「手」といっても、人間から見ればそれは−−−−

「リューク。こいつのノートに触れれば、こいつが見えるんだな?」

「ああ。見えるし触れる事もできる」

「じゃあ、僕に心当たりがあるから…ついておいでよ死神。お前を満足させてやる」







「こんばんは月くん」

「やあ竜崎。突然わるかったね?」

「いえ、捜査が進展するお話は大歓迎ですよ。…月くんの見解を纏めて下さったそうですね。拝見します」

深夜の捜査本部。この時間帯は交代で睡眠をとり、人が少なくなるのは何度かの出入りで確認済みだった。 僕は、竜崎に読んでもらってから捜査本部メンバーにも回したいと真にせまる声で彼に電話をし、竜崎の 個室に案内してもらう事に成功した。

殺風景な白い部屋には机にパソコン、ベッドがひとつ。それさえあれば十分だ。

竜崎はいつもの座り方でソファに腰掛けると、僕にも椅子をすすめた。

「どうぞ。では拝見しましょう」
「これなんだけど…」

僕はノートを一枚切り取ったものを竜崎に渡した。それには真面目にキラ事件の考察を書き連ねてある。 竜崎は頷いたり唇を引っ張ったりしながら真剣に読みふけってくれた。
はは。
ごめんね。
本気で捜査中のお前が滑稽でたまらない。

竜崎はノートを机に置くと、やや高揚した様子で僕を見た。
「見事です月くん。あなたの考えはまるで私と一緒です…これからもどんどん考えを聞かせて下さ…」

竜崎の声が途切れる。そして、こわごわと自身の下腹部に視線を落した。

「------------!?」

声にならない悲鳴。それも仕方がないだろう。ぬらりとしたやけに長いあいつの「手」−−男性器の形をした 「触手」と言った方が人間界的にはわかりやすいだろう、それが自分の股間をつついていたら、僕だって叫びたくなる。

「どうしたの竜崎?」

わざとらしく聞いてみた。僕は「触手」が見えない事にしておこうと思う。見えることにしたら後々面倒だしね。

「ラ、月くん……私、だいぶ疲れている様です。幻覚が……ひっ!!」

触手が竜崎の手足を絡めとった。四肢をソファに縛りつけられ、竜崎がもがく。だが、触手はぬらぬらと身をくねらせながら 更に竜崎を締めつけた。

「竜崎!?どうしたんだ!?」

「あ、あの、月くんには見えませんか?」

「何が見えるっていうんだ!しっかりしろ!」

我ながら演技派だよ。

触手は竜崎のシャツを捲くりあげ、細めのものがつんつんと乳首を突付き、ぶしゅりと薄緑の半透明の 粘液を吐きながら首筋を這い回る。嫌悪感に竜崎の毛穴が縮み鳥肌立つ。
そして緩めのジーンズの中へと侵入するものが増えていく。行為に相応しい場所を探しているのだろう。
竜崎は全身を戦慄かせながら身動きせず、ぬめる触手に全身を調べ上げられていった。

何本かの細い触手が指の様に動くと、竜崎のジーンズのジッパーを下げた。竜崎が息を飲む。
ずるりとそれを下着ごと足から引き抜くと、細い下半身が露になった。

「あ………………あ…………………………」

品定めをする様に、触手達が竜崎の男性器にからみつく。粘性の液体にくるまれた触手の生暖かい感触に 竜崎がぶるりと全身を震わせた。

「う……う………あぁ………!!」

縮んでいた性器は触手の細やかな動きにゆっくり反応を見せ始めた。
麺棒程の細い触手の先端達が粘液を吐きつつ数十本身を寄せ、ざわざわ蠢きながらねっとりと裏筋を撫で上げると、ひっと竜崎の喉が鳴った。同時に竜崎の性器が質量を 増す。

「どうしたの竜崎…なんだか、まるで感じてるみたいな顔をして……」

「ラ、月……くん……!!助けて、くださ……ああ!やっやああああぁぁああ!!」

極細の触手が竜崎の尿道につぷりと侵入した。

「イッ−−−−−ひいぃ!!ああぁあ!!!」

痛むのか、堪らずに竜崎が悲鳴をあげる。尋常ではない状況に感情の制御が効かないのだろう。普段の能面の様な顔は 恐怖に歪み、瞳は救いを求めて宙を彷徨った。

「こいつ、こんな顔もするのか。なかなか面白だな」

そうだろう?リューク。でも本当に面白いのはここからだと思うよ。

「ヒッ……あ、  ヒイイイィイイ!!痛、あ、あーーーああああぁああーーー、!」

悲鳴をあげる竜崎などおかまいなしに触手は尿道の奥を犯していった。にゅるにゅると蠢きながら更に奥へ。 足の指を突っ張ってわずかな抵抗を見せるが、Lといえども死神に敵うわけはない。体の中心に受ける酷い傷みに 耐えようと全身を強張らせ、震える竜崎は堪らなく憐れだった。

「痛い?どこか痛むのか?竜崎、どう痛いんだ?」

見えず聴こえずを決め込んだ僕は、こみ上げる笑みを押し殺して聞いてみる。

「あっ…わ、私の……  い、言えませっ……!!痛……あ………………ワ、ワタリイィ…!!」

はは。ワタリが今のお前を見たところで、椅子に座って勃起しているだけにしか見えないだろうね。
「!? だ、だめ、嫌だやめっ………やめろっ、そこっ………」

竜崎の表情に動揺が滲む。触手が前立腺へ到達したのだろう。まさか尿道の中から気持ちよくなるなんて 知らなかった?さっきまで痛がっていたくせに、どんどんそこは硬くなっていくじゃないか。現金だな。

「!! !! !! !!」

触手が前後に動く度に竜崎が白い喉を反らす。前からも前立腺が刺激できるって本当なんだなと改めて知る。じゃあ後ろからも 同時に刺激したらどうなるんだろう?

触手は僕の意志に感応した様に、竜崎をベッドに仰向けに放り投げ、両脚ににゅるにゅる絡み付いて限界まで開かせ高く持ち上げると、 その後肛に大人の男の指二本ほどの太さの「手」を ずるりと侵入させた。

「うぁっ……!?」

排泄以外ありえない器官への侵入に、怯えた声を漏らす。だが、触手から吐き出される粘液の助けをかりて 滑る内部は恐怖など感じていないかの様に侵入物を受け入れた。竜崎の内臓の浅い位置で触手は侵入の動きを 止め、一点を突付く動きを始めた。

「あ、あ、………ァあっ、あっひぃいいいい!!」

前からも後ろからも前立腺を刺激され、竜崎があられもない嬌声をあげる。
そんなにいいのかな?体の肉が薄い分刺激がダイレクトで、特別こいつが感じやすいのかもしれない。 触手が臀部を浅く出入りする度に腰はビクビクと痙攣し、陰茎を犯す極細の触手の小刻みな動きに 薄紅色の亀頭は膨れ上がった。
その敏感な皮膚を手持ち無沙汰な触手が先端で撫でる。その光景は亀頭同士を擦り合わせている姿そのものだった。 竜崎の腹が数回振るえ、限界まで開いた足指が硬直した。 声もなく大きく開かれた唇はぶるぶると震え、だらしなく涎が流れるばかりだ。これは、イッたな。
だが尿道に侵入している触手に邪魔されて射精はできない。いや、いわゆるドライというやつで射精など なくても気持ちいいのかもしれないけれど。

陰茎内部を犯している触手がまた動き出した。更に奥へ。 脱力して虚ろな瞳に、すうっと恐怖の色が帯びる。

「いーーーーーい、や、あ……嫌だ、嫌だやめ、ろやめっ……ら、ら月くん!!…」

そろそろ触手が膀胱へ到達したのだろう。顔を真っ赤にして頭を振るが、触手が 竜崎の自尊心など尊重してくれるはずもない。奥へ届いた細い先端はずるずると激しく動きを増し、挿入と 排出を繰り返し、か細い器官を掻き回した。

「−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−っっっ−−−−−−−−−!!!」

目をむいて竜崎が仰け反る。触手はもう膀胱の中にまで侵入しているのだとわかる。
決して触れられる事はない部分を責められ、竜崎はもう失神寸前だった。

それではつまらないとばかりにずる、と、尿道から触手が一気に引き抜かれた。

「ひぁあ………………!!や、やっ…らいと、く…見っ……」

見ないで下さい、か?  そうだろうね。わかるよ竜崎。

竜崎がぶるりと体を震わせる。




じょろり。



散々苛められて開ききった尿道から、だらしなくじょろじょろと暖かな液体が溢れ出る。


「うっ…はぁっ………あぁっ………」

荒く息を吐きながら、なんて気持ちよさそうな顔をしているんだろうねお前は。
僕なら人前で失禁なんてするなら死を選ぶよ。
恥ずかしそうに僕から瞳を逸らしているけれど、お前のはしたなさはよくわかったよ。

ああ、今僕は楽しさのあまり微笑んではいないかな?
ちゃんとお前の痴態に驚きのあまり動けず声も出ない僕を演じられている?


未だ硬度を保っている竜崎の性器を目指して、一際大きな触手が首を擡げていた。謎の物体に犯され、 僕の目の前で達し排尿したショックて放心状態だった竜崎が、性器への新たな刺激でそれに気づく。

「……ひ…………」

あまりの大きさに、いやいやと頭を振る様が幼さを感じさせて妙に可愛らしい。
その触手は幹の部分が半透明で、成人男性の膝頭ほどの太さだった。これがどこへ入るというのか、竜崎でなくとも 喩え様のない恐怖だ。当の竜崎は気でも失えば楽だったろうに、気丈にも息をつめて触手を見つめていた。
その極太の触手はしばらく竜崎の男性器を巨大な鈴口で吸い付いたり撫で上げたりしていたが、突如、ぶわりと 磯巾着の様に細かく裂け、数百本の細い触手となったそれは一斉に竜崎の性器に張り付いた。

「ぎ!いぁあああああぁああああああ!!!!!」

本能のままの悲鳴を竜崎があげる。これは獲物の悲鳴だ。竜崎は、文字通り触手に食われていた。
磯巾着の様に割れた触手はざわざわと数百本を自在に操りながら、竜崎の性器に一斉に絡み付き、奥へ咥え込んだ。 それぞれが粘液を吐きながら、ちゅ、ちゅ、と竜崎の性器を吸い込んでは緩め、緩めては吸い込む。

「はあ…ああーーーーああぁあ………あふ、う、うう………」

竜崎の魚の様な目がとろりと潤んでいる。こいつ、女との経験はあるんだろうか。おそらくこれは 限りなく女性器の刺激に似ているだろう。いや、こうも細かい触手に好き勝手に蠢かれながら 吸い付かれては女性器以上だ。
お前、そんなに色っぽい顔をして涎を垂らしてちゃあ、女の立場がないよ。
この初心な反応は、間違いなく女性経験の薄さを物語っていた。
下手したら本当に初めてかもしれない。だとしたら、気の毒にね。初めてが死神だなんて。さすがは、 ある意味悪に取り付かれた男−−Lだ。

「あ!?や、やめっ……嘘だ、こんなっ……ああ!はぁうっ!!」

中程のサイズの触手が2本、竜崎の胸の突起をつつき、ぱくと鈴口を開いたかと思うと乳首に吸い付いた。 それは吸盤の様に張り付き、ちゅうちゅうと固く尖った実を甘く吸い上げる。性器をしゃぶる触手は 吸い込む力を増し、竜崎のものか触手なのかわからない粘液にまみれた性器はいやらしくてらてらと 蛍光灯の下で光っていた。

「すごいな…」

思わず僕は呟いた。三点の突起を同時に吸い上げられ、竜崎は正気を保とうと必死に首を振って黒髪を 左右に散らす。汗がきらきらと光り、耐える表情はかえって見る者の劣情を煽った。
僕はゆっくりと自分の股間に手を延ばす。

「あっあっあっ、ひぁ、………イッ………ふぁう!んぁあ!!」

びく。

びく。びく。

はは。かっわいい。イく時、薄い眉を寄せて目を閉じるその顔、苛められてる子供みたいだ。

性器をくわえ込んでいた触手の半透明の腹の中に、竜崎の白濁がどくどくと飲み込まれていくのが見えた。 まさに、この世のものとは思えぬ快感というやつだ。

ぁ…ぁ…と小さく喘ぐ竜崎の後ろから、もう一本、内部をめがけて体を揺らしながら動き出した。




超名作漫画のタイトル拝借スミマセン…