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「あぅっ …… !!」 急な挿入に竜崎が顔を顰める。かまわず僕は指を回しながら奥を目指す。 熱のせいか、やけに中が熱い。 紅い筋が生々しい昨夜の裂傷は、ぷちりと小さな音をたてて再び口を開いた。じんわりと細い傷から 血が滲むのを見た僕の呼吸が早まるのを竜崎’は見逃さなかった。 「この程度の血を見て興奮しますか…。内に秘めた残忍さが顔を出し始めるか…」 キラの顔を見せるかもしれないという危うい実験である事も忘れ、しばらく僕は竜崎の中の手触りを楽しんでいた。 硬質な性格に反して中はしっとりと柔らかく熱い。それが解った事がとても嬉しい。好きな人のすべてが欲しいと いうのは本当なんだなと僕は思う。知らなかった部分を手に入れていくのはとてつもない幸福感を僕にもたらした。 苦し気に歪めた唇さえ自分の手によるものだと思うと嬉しくなってくる。どうなんだろう。みんなそうじゃないのかな? 僕は無言で三本の指を外に向けて動かし、内側を開きはじめる。 「う………」 内臓が空気に触れ、居心地悪気に竜崎が呻く。 次はなにをしようか。 普段淡白な表情を崩さない竜崎のわずかな変化に高揚する。次は、その次はと考えてしまう。竜崎’が言う様に、 お前は受け入れる側としてすごい才能を持っているよ。 「はは…”竜崎 ”がこんなザマを晒しているのは気分がいいな…」 僕’が満足気に呟いた。そして弄んでいた、筋を浮き上がらせて膨れ上がった竜崎の性器から指をほどく。 「! っ…………ふっ…………」 「イキたい?」 僕’は形の良い唇を歪め薄く哂った。自分で言うのもなんだが、綺麗な顔でこういう事を言われると妙に凄みがある。 竜崎もそれを感じたのか、僕’の悪意を跳ねかえす様に睨み返した。 「そりゃ、男ですからね…!」 いささか”男”を強調して竜崎が答えた。ふふ、と僕’が笑う。 「ダメだよ。竜崎’もいつもこうして僕’をイカせてくれない。お前は僕の世界の竜崎’じゃないけど… 八つ当たりくらいさせてもらうよ」 「ぐ !!」 余っていたジーンズの残骸で僕’は竜崎の性器の根元を縛った。 「こうすると精液は出せなくなるわけです」竜崎’が解説をする。 「へええ…」感心する僕。 「ちょ…冗談でしょう!そんな事して何が楽しいんですか!!」 「悪いけど、楽しい…。 お前が慌てる所なんて普段絶対見れないじゃないか。」真面目な顔で答える僕。 「やっぱり”月 ”くんはキラです!!こんな酷い事を出来るのはキラしかいません!!はい決定ほどいてくださいっ」 「まだ決め付けるのは早い!僕がただの変態だって可能性もあるだろう!?」 「そうですね、男の肛門に嬉々として指をつっこんでいるあなたは変態な上にキラです…」 「わかった、変態は認めるから、キラかはまだ決めないでくれ!」 「変態は認めるんですね…」 「言っとくが変態なのはこっちの僕だけだからな」僕’が不潔なものでも見る様な瞳で僕を見た。 お前たちも、きっと恋をすればわかるよ。恋は人を変える。 この僕が、恋に狂ってこんな酷い事をしてしまう様に。 「そうそう、腸内洗浄がまだでしたね」 熱っぽい呼吸が漲る狭いバスルームでただ一人冷静な竜崎’がシャワーヘッドをフックから外した。 そしてヘッドにシャンプーをたっぷり塗りつける。 「な、なんですか………」 「大丈夫、このヘッドは細いタイプですし痛くありません。初心者の月くんには危険ですから私が入れましょう」 「入れるって、まさか…」 瞳を見開いて身じろぐ竜崎の肩を僕’が押さえた。次の行動を理解した僕が竜崎の中からずるりと指を抜く。 僕の指は長く竜崎の腸内粘膜に包まれていた為、桃色にふやけていた。竜崎の中を愛していた僕の指さえ愛しくて、 ぺろりとなめ上げると、汚い、と竜崎が呟いた。 「お前に汚いところなんてないよ…正直、お前の匂いがなくなるまで僕がたっぷり舐めて味わいたいから洗わなくても僕はいいんだけど」 「すみません洗ってください!!」 間髪いれずに竜崎が竜崎’へ吐き捨てる様に言った。 では、と竜崎’がシャワーヘッドを竜崎の後腔にあてがうと、慣らし途中の狭い管にそれを挿入した。 「ぐぁっ………あっ あっ………っ」 粘液ですべりのよくなったヘッドは、竜崎を傷つけることなくゆっくりと体内へ飲み込まれていく。 細いといっても僕の指三本よりは太い辛さか、冷たく硬い異物感が竜崎の嫌悪を増幅させるのか、竜崎の全身が 粟立った。 それを見ている僕はどうしてこんなに胸をときめかせているんだろう? 僕はこんな人間だっただろうか? 「では洗浄を開始します」 「ひぁあ!!!」 竜崎’が水栓を開くと、肩を縮めて竜崎が震えた。 「おや、どうしました」 「つっ……冷たっ………冷たいですっ………!!」 給湯パネルを見るとスイッチが入っていない。バスルーム内のエアコンは先ほどからきかせているけど、 この季節に水は相当辛いだろう。だけど竜崎’の目はわずかに笑みが見て取れた。こいつ、自分が悲鳴をあげているのに、 本当の攻だ…。 「お、お湯を…お湯をつけてください………お願いします……!!」 「いいですよ。では」 「あぁあうあ−−−−−ッ!!」 温度は45度。火傷をするほどじゃないけど、相当な熱さだ。 ましてや敏感な内臓に注がれては、と思うと僕でも身が震えた。だけど、不思議と止める事ができない。 辛さから逃れようと体を戦慄かせながら身を丸めようとする竜崎から目が離せない。 一体、僕はー……。 「熱いですか…じゃあ冷やしてあげましょうね」 「あ、う………」 竜崎の腫れた蕾からちょろちょろと流れ落ちる水流が僕の爪先に触れ、それが冷水にかわったとわかる。 「すごいね竜崎……なんだか、おもらしみたいだよ……」 僕の純粋な感想に、竜崎の頬に朱が走る。 ひどく興奮する。こいつを辱める行為に。 こんなの、僕では……………ないわけだよ。うん。無論キラでもない。だって僕の意識を保っているし。 僕ら4人という異常事態が招いた、ちょっとおかしくなってしまった僕だ。下手すると竜崎’が言う様に 誰かの夢である可能性も捨てきれない。 なら。 純粋に楽しもう。 「こんなところから小水が出るわけないでしょう…どう見てもただの水です…っ」 「「『いや、どう見てもおもらしだ(です)』」」三人でハモる僕ら。 僕らはもはや共同体だった。このプライド高い生物を突き崩すのに夢中だ。 「不思議とこの顔は嗜虐心をそそりますねえ…私、受けじゃなくて本当によかったです。」 竜崎’が竜崎の小さな顎を掴んで言う。 「わ、私だって受けた事など今までありませ…んよ…!!……あ……!?」 竜崎の顔色がすっと蒼白む。そしてぶるりと身を震わせた。 「どうした竜崎?」 聞く僕を異世界の2人は黙って見ていた。どうしたのか、わかっているという事か。竜崎は下腹をひくつかせながら 窺う様に僕らを見上げた。 「……少々、冷えたようです…………解放してください………」 「駄目です」 竜崎’がにやりと哂って答えた。切羽詰った様子で竜崎が反抗する。 「バスルームを汚してしまいます…!無論あなた方も……!!」 「では、ここだけ解放してあげましょう」 竜崎’は性器の根元を縛っていた紐状の布を取り去った。途端竜崎に困惑の表情が浮かぶ。 「冷えたのでしょう。どうぞ、私はかまいませんよ。あなたは私ですし」 「馬鹿なっ…!」 ギリ、と唇を噛んで竜崎は何かに耐え始めた。そうか、これは。 尿意だ。 それに僕’も気づいたのだろう。薄く微笑むと竜崎の下腹に足を乗せ、ぐ、と体重を乗せた。 「や、め……ぁ、あ、……!!」 竜崎が瞼を閉じて俯いた。じょろり…、と音をたててぱくりと割れた先端から蜂蜜色の液体がほとばしる。 「はは、随分出るよ。結構前から我慢していたんじゃないのか?」 「本当だ、まだ出る…恥ずかしいね竜崎、本当にお漏らししちゃうなんて……」 "僕 ”らの言葉に竜崎はびくりと膝を震わせた。耐えようと下肢に力を入れているのがわかる。 僕’がまた下腹にぐ、ぐと体重をかけた。 「んぅっ…や、やめろっ…!!ぃあ!!」 締まりの悪い蛇口の様に、じょろ、と鈴口から尿が漏れた。 「もう一回」 「や、や……あぁっ……!」 容赦なく僕’は竜崎の腹を踏みつける。じょろじょろと漏れる尿は後孔を貫くシャワーから漏れる 冷水に触れると一瞬湯気をたて、それと混じると薄い檸檬色の液体となって排水溝に吸い込まれていく。 僕にはそれさえ名残惜しかった。 「りゅ…竜崎、飲んでいいかな…?」 「こ、このド変態!!キラじゃなくても強制猥褻罪であなたを訴えてもいいんですよ!?」 「…僕’もそういえば冷えてきたよ」 あ そういえばこいつも裸だった。 「口開けて、竜崎」 僕’は美しく微笑むと竜崎の頬を両手で包んだ。 → |